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武藤 康; 石山 新太郎; 猪亦 麻子*; 岸部 忠晴*; 皆月 功*; 松本 岩男*; Levet, F.*
Proceedings of ASME Turbo Expo 2001 (CD-ROM), 8 Pages, 2001/00
本報告は科学技術庁から原研に委託された「高温発電システムフィージビリティスタディ」の成果をまとめたものである。熱出力600MW、原子炉出口温度850、圧力6MPaの高温ガス炉に接続するヘリウムガスタービン発電系統についての予備設計からの改良点につきまとめた。改良の目標はガスタービンロータのコンパクト化であり、タービンについては負荷係数とコード長さの変更により、圧縮機については詳細な応力解析によりコンパクト化に成功した。また軸系についても、磁気軸受の設計による改良を行い、高圧圧縮機とタービン間の軸受の削除及び発電機ロータの応答倍率の縮少に成功した。さらに、遠隔保守により、ガスタービンロータを収納容器から引抜き、検査の上、再組立できることを示した。これらの改良設計の結果、正味46%の高い熱効率の魅力的な設計概念を構築できた。
田中 利幸; 武藤 康
火力原子力発電, 51(10), p.318 - 323, 2000/10
最近50年間における高温ガス炉の発電利用分野における開発の経過を記す。高温ガス炉ガスタービンの開発が1960年代に始まり、一たん凍結された後、近年再開されるに至った経緯、各国の現状、高温ガス炉の特徴、OGL-1ループ,HENDEL,HTTRの経緯、高温ガス炉ガスタービンの特徴、プラント設計例、研究開発の現状について記す。さらに、将来展望として、開発試験のあり方、経済性の見通し、高性能化の可能性について記した。
武藤 康; 石山 新太郎
日本原子力学会誌, 42(10), p.1020 - 1027, 2000/10
被引用回数:1 パーセンタイル:12.1(Nuclear Science & Technology)熱効率が高く核燃料資源の節約や放射性廃棄物量低減に有効な高温ガス炉ガスタービン発電プラントの基本的特徴及び技術課題について、特会受託研究「高温発電システムフィージビリティスタディ」の成果に基づいて記述した。すなわち、最適な原子炉入り口ガス温度が圧力容器材料温度には厳しすぎる問題については2種類の解決策を考えていること、ヘリウムガスタービンは段数が多くなる傾向があり、一方ガスタービン機器はまとめて圧力容器内に配置する必要があることから、軸振動と保守が最重要課題となること、これについては横置きでタービン容器と熱交換容器を分離する方法によりほぼ解決されること、経済性の観点から重要な再生熱交換機効率95%のプレートフィン型熱効率器について試作及び流動解析により見通しが得られつつあることにつき述べた。
武藤 康; 石山 新太郎; 福山 佳孝*; 納本 淳司*; 岸部 忠晴*; 山田 誠也*
Proceedings of 45th ASME International Gas Turbine & Aeroengine Technical Congress, Exposition and Users Symposium (CD-ROM), 8 Pages, 2000/00
本報告は科学技術庁から原研に委託された高温ガス炉ガスタービンのフィージビリティスタディの中で実施された熱出力300MW発電プラントの設計結果をまとめたものである。ヘリウムガスの比熱が空気の5倍と大きいことに起因して、ヘリウムタービンの段数が多く翼長が短くなる傾向がある。特に300MWクラスの比較的小容量機では、このことが設計上の大きな課題となっている。これに関し、まず回転数を高くして周波数変換器をつけた場合と同期回転数の設計結果の予備検討につき記し、後者について詳しい設計結果を述べる。得られた効率は、タービン、低圧圧縮機、高圧圧縮機に対して、各々93.09%,89.92%,90.25%であり、十分高性能であった。発電機設計及び軸系設計とも問題はなく、本プラントの技術的成立性及び熱効率が48.2%の高い値が期待できることが確認された。
武藤 康; 宮本 喜晟; 田中 利幸
火力原子力発電, 50(9), p.1123 - 1130, 1999/09
高温ガス炉に閉サイクルガスタービンを接続することにより、高効率の原子力発電所になると期待できる。それゆえ、本プラントは地球温暖化問題を解決する有効な手段であり、科学技術庁の予算により原研においてフィージビリティスタディが開始された。本プラントの備える特徴、本スタディの成果である600Mwtプラントの設計及び試作した細密プレートフィン型再生熱交換器モデルの内容、将来の高性能化の可能性(原子炉出力ガス温度の上昇、高温FPフィルター、原子炉圧力容器温度、セラミックヘリウムガスタービン)、回転数を3倍にすることにより出力を1/20にするタービンの開発試験方法について述べる。
武藤 康; 宮本 喜晟; 塩沢 周策
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
本研究は科学技術庁から原研への電源特別会計による研究「高温発電システムのフィージビリティスタディ」の成果である。熱出力600MWtの高温ガス炉に直接ガスタービン中間冷却再生サイクルを接続した発電プラントの設計を行うことにより、構成機器の仕様及び熱効率を明らかにした。本設計の特徴は、原子炉においては一体成形型燃料ピン及びC/C制御棒被覆管の採用により、出力密度6MW/mと燃焼度100GWD/tonを達成するとともに、原子炉入口ガス温度を通常よりもやや低い460Cに選定することにより、原子炉圧力容器重量を製造可能範囲まで軽減したことである。タービン系に関しては、タービン、圧縮機の断熱効率をそれぞれ93%及び90%と高い値とし、かつ製作・保守可能な軸系設計及び配置を達成したことである。このような設計により、原子炉プラントとしては非常に高い46%の正味熱効率を達成することができた。
武藤 康; 羽田 一彦
動力・エネルギー技術の最前線 : シンポジウム講演論文集 1994, 0, p.311 - 316, 1994/00
出口温度950C、熱出力450MWのモジュラー高温ガス炉と閉サイクルガスタービンサイクルを組み合わせることにより50%近い高熱効率の発電プラントを実現できると期待されている。高温ガス炉とガスタービンを直接接続するシステム(直接サイクル)では、ターボ機械へのFPのプレートアウトによる保守やガスタービン系統の機器を1つの圧力容器に収納する必要性といった難点があり、この解決等として間接サイクルや間接複合サイクルが提案されている。これらの3つのシステム形式の熱効率は、原子炉出入口温度、ターボ機械の断熱効率、再生熱交換器効率、IHXを含む熱交換器類の熱交換温度差に強く依存している。本報告では、これらの条件について検討し、標準的な値のケース、保守的な値のケース、及び将来の開発を見込んだケースを設定し、各システム形式の熱効率を求めることにより、これらの優劣についての検討を行った。
武藤 康
JAERI-M 7322, 62 Pages, 1977/10
ヘリウムタービン直結高温ガス炉プラントの熱効率の特性解析を行なった。この高温ガス炉プラントはヘリウムタービンをはじめ、ヘリウム圧縮機、再生熱交換器、前置冷却器、中間冷却器を有している。圧縮機を出るヘリウムガスの1部は冷却のためタービンロータへと送られる。タービン入口温度、タービン圧力比およびロータ冷却流量を変えて、計算コード「GASTUR-III」により熱効率を求めた。計算の結果次の結論を得た。(1)タービン入口温度1000Cの再生サイクルで得られる最大熱効率は、冷却流量比0%、0.5%、1%の場合、それぞれ46.2%、45.6%、45.1%である。(2)タービン入口温度1000Cの中間冷却再生サイクルでは、上記の値はそれぞれ、48.5‰、48.0%、47.5%である。(3)冷却流量を増すと熱効率はほぼ線形に低下する。冷却流量が1%増すと、熱効率は約1%低下する。
武藤 康
JAERI-M 7318, 42 Pages, 1977/10
ヘリウムガスタービンにおいては、高温高圧の設計条件のためにロータ冷却が必要となる。この冷却流はロータ温度の低下に役立つ一方、圧縮機の無効動力を増加させる。従ってロータ温度を充分低下させるのに最小限どの程度の冷却流量が必要か知ることは重要である。タ-ビンロータをモデル化し、伝熱およびガス膨張の計算コード「GAROC」を作成した。小型ならびに大型タービンモデルについて特性解析を行ない、次の結論を得た。(I)ロータ冷却は、ロータ最高温度の低下には有効でない。大型タービンにおいては特にそうである。(II)ロー夕冷却はロータ平均温度の低下には非常に有効である。(III)冷却ガス温度上昇100C以下、ロータ平均温度の高温ガス温度からの低下200C以上の条件の下で考えると、冷却流量0.5~1.0%が適切である。